ここでは私たちが使っている言葉をキーワード集としてまとめます
「公民連携(Public Private Partnership)」とは、行政と大学、事業者や地域関係者などが協働し、公共サービスの立ち上げや運用をすることを指す。 地域の課題解決や活性化を目指し、立場の垣根を超えつつそれぞれの強みを束ねることが求められる。そのためには「OS(oparation system)」となる人と人との信頼関係等といった基盤が必要である。「OS」の構築を待たずに、アプリケーション(ここではプロジェクトやサービスの意)のみを地域にインストールをしても、正常にそれが働かないのは言うまでもない事である。
どのような社会を目指すべきか。それには、様々な答え方がある。そのなかのひとつに「自律分散型社会」という特にコロナ禍を経て注目されている構想がある。それは、個々が多様性を維持しつつも自律的に発展する社会を指し、それぞれが思い通りに“らしさ”を発揮できることが肝とされている。逆説に捉えるならば、これまでの社会が「他律的」で「集中型」であったことである。自律分散型社会における地域、事業、教育のあり方。それらを同時に問い続けながら、活動を起こしていきたいと考える。
地域が自律する。それを実現するために、そして、実現された際の、経済システムを構想しイメージしておくことはとても重要である。「地域内経済循環」とは、一つの地域に「生産・販売」「分配」「支出」という3つの要素があり、この中でお金が回っていくシステムのこと。 「生産・販売」から生まれた所得が「分配」と「支出」を経て、再び生産の場に戻ってくるというもの。それらの循環に綻びがある状態では、「漏れバケツ」のように本来地域が自律的に活用していけるはずのお金が漏れ出てしまうことになる。
「自律分散型社会」を目指し、「公民連携OS」を醸成しながら、「地域内循環経済」を実現しつつ「地産地消的な教育」の機会を起こしていく。おそらく、そのときには、これまでそれらの活動の舞台とされてこなかった場所が、重要な舞台となっていく。寝るためだけに帰る場所とされていたベッドタウン。本来そこは、暮らしや生活の拠点であり、だからこそ、イノベーションの舞台であるはずだ。
日本全国で3000と言われる、住宅団地。これまでの住宅供給施策における役目を果たしながらも、老朽化や人口減少に伴う空き部屋といった課題も浮き彫りになってきている。これらを社会課題というよりも社会資産と捉えたときに、日本の団地はどのように再生すべきか。再生とは、PLAYでもある。もう一度、遊び心を大切にしつつ、個々のらしさをハーモニーに変えていくような、その意味や意義を発揮するための方法論が求められている。
公園や集合住宅には、必ず植栽がある。植物は生き物であるからそれらをケアする人が必要である。では、そのような人びとをどのような存在として捉えるか。それは、重要なポイントである。これまでは、「植栽管理人」であるが、そもそも管理とは何だったか。もちろん、倒木などのリスクを防ぐことは大事ではあろう。落ち葉や鳥やスズメバチの営巣などへの対応も重要であろう。とはいえ、徹底的に思い通りに植栽を「管理」するというよりも、そういったケアの営みをコミュニティを育む営みとして橋渡ししていくような創意工夫が求められているのが、現代である。そもそも「management」とは、管理(contorol)というよりも、「do something difficult」「deal with problems」というもので、「みんなでどうにかこうにかしていく」というニュアンスが近いのだそうだ。「管理人」という言葉にそのような気分を織り込んでいきたい。そこにも「play」という言葉の意味がその重要性を持って浮かび上がってくる。
しっかりと目的と方法を定めて計画していくこと。一方で、その場その場で、ありあわせのものでやりくりしていくこと。文化人類学者のレヴィストロースは、前者の近代科学的なエンジニアリングの手法とは区別して、後者をブリコラージュと(そして、「具体の科学」とも)呼んだ。それは、経営学の分野で、サラス・サラスバシーが、「コーゼーション」と「エフェクチュエーション」と整理したものと対応している。いずれにしても、偶然性を味方につけていくような、余白というのか余裕というのか、そういったものの重要性に目を向けておくべきである。
「ダブルバインド」とは心理学の分野では、二つの矛盾したメッセージを同時に受けることで、心理的なストレスを感じたり、混乱したりする事を指す。現実社会に働きかけ、多様な他者と協同し、地域社会の価値を醸成していくこと。それらは、そのプロセスのなかで、自分自身と会社、地域住民と地域行政、様々なステークホルダーのなかで、矛盾状況に宙吊りになることは常である。つまり、「公民連携OS」を醸成していくということは、ダブルバイン状況を乗り越えつつ、むしろその矛盾を駆動力に変えていくことと同意である。